産業廃棄物の委託契約で確認しておきたいポイント

産業廃棄物の処理を外部業者に委託する際、排出事業者には廃棄物処理法に基づいた適切な委託契約の締結が求められます。しかし、「長年同じ業者に任せているので契約書の中身を確認したことがない」「収集運搬と処分が一緒になった契約書で運用している」といった状況も珍しくありません。

委託契約の不備は、不法投棄等の不適正処理が発生した場合に排出事業者にも責任が及ぶ可能性があります。この記事では、産業廃棄物の委託契約で日頃から確認しておきたいポイントを整理します。

産業廃棄物委託契約書と確認ポイントのイメージ
委託契約書と許可証の写しをセットで管理することが、適正処理の基本となる

なぜ委託契約が重要か

廃棄物処理法では、産業廃棄物の処理を業者に委託する際に書面による委託契約の締結を義務付けています(第12条第5項・第6項)。口頭での取り決めや発注書の交換だけでは、法令上の委託基準を満たしません。

重要なのは、委託後も排出事業者の責任は消えないという点です。適切な許可業者と適切な契約を締結していない場合、業者が不法投棄を行ったとしても排出事業者が措置命令の対象になる場合があります。「業者に任せたから自社に責任はない」という考え方は通用しません。

また、委託契約書は締結するだけでなく、その後の管理も重要です。有効期限を超えた許可証のコピーが添付されたまま更新されていなかったり、廃棄物の種類が追加されたのに契約書が改定されていないといったケースは、実態と書類の乖離として問題になります。

委託契約書に必要な記載事項

廃棄物処理法施行令・施行規則に基づき、委託契約書には以下の事項を記載することが求められています。

  • 廃棄物の種類・数量(廃プラスチック類・金属くず等の種別ごとに記載)
  • 処分方法(中間処理の種別・最終処分の方法・最終処分場の所在地)
  • 委託する業務の範囲(収集運搬のみ・処分のみ・両方など)
  • 委託者・受託者の氏名(名称)・住所
  • 契約の有効期間
  • 受託者の許可証番号と有効期限(許可証の写しを添付)
  • 取扱・保管上の注意事項
  • 事故時の連絡先・対応に関する事項
  • 料金(処理単価・支払条件等)

実務上よく見落とされるのが最終処分場の所在地と処分方法の記載です。中間処理業者に委託する場合も、その先の最終処分場の情報まで契約書に盛り込む必要があります。記載がない場合は業者に確認・追記を求めてください。

収集運搬と処分は別契約が原則

産業廃棄物の委託には、収集運搬と処分は別々の業者と個別に契約する「二者間契約」の原則があります。

これは、収集運搬業の許可と処分業の許可が別々の資格であることに対応したものです。ひとつの業者が両方の許可を持っていたとしても、収集運搬に係る契約と処分に係る契約はそれぞれ独立した書面で締結することが求められます。

許可証確認・契約内容確認・契約締結・保存管理の4ステップフロー
契約は「許可証の確認」から始め、保存・管理まで一貫して管理する

一方、廃棄物処理法第14条第16項に基づく「優良産廃処理業者認定制度」の認定業者と締結する場合など、例外的な取り扱いが認められているケースもあります。実際の運用に迷う場合は、都道府県・政令市の担当窓口や許可業者に確認することをおすすめします。

実務での注意点として、収集運搬業者と処分業者が別法人の場合は当然として、同一グループ内の関連会社であっても別法人であれば個別に契約が必要です。グループ企業まとめての委託は認められません。

許可証の確認ポイント

委託先業者の許可証は、次の4点を必ず確認してください。

1. 許可の種類(収集運搬か処分か)

収集運搬業の許可と処分業の許可は別物です。収集運搬の許可しか持たない業者に処分を依頼することはできません。

2. 有効期限

産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可の有効期限は5年です。契約締結時だけでなく、更新後も許可証の写しを都度受領・差し替えることが必要です。

3. 対象品目(廃棄物の種類)

許可は廃棄物の種類(廃プラスチック類・金属くず・廃油・廃酸など)ごとに付与されます。自社が排出する廃棄物の種別が、委託先の許可に含まれているかを品目ごとに確認してください。

4. 都道府県の管轄

産業廃棄物収集運搬業の許可は、積替え・保管を行う場合を除き、積込み地と荷下ろし地それぞれの都道府県の許可が必要です。工場や排出場所が複数都府県にまたがる場合は注意が必要です。

契約書の保存義務

委託契約書は、契約終了の日から5年間保存する義務があります(廃棄物処理法施行規則第8条の4)。

「契約終了の日」は、契約期間が満了した日または解除した日です。有効期限が5年の契約書であれば、終了から5年間保存することになり、実質的に10年程度の保管が必要になるケースもあります。

保管する書類には、委託契約書の本体に加えて、許可証の写し・変更に関する書面・解除に関する書面なども含まれます。デジタルスキャンでの保存も実務上行われますが、原本を求められる場合もあるため、紙原本の保管方針も事前に確認しておくことをおすすめします。

よくある不備と見直しの進め方

現場で見られる委託契約の主な不備を挙げます。

  • 許可証の有効期限が切れているのに新しい写しに更新されていない
  • 廃棄物の種類・数量が実態より少なく記載されており、実際の排出品目が含まれていない
  • 最終処分場の所在地・処分方法の記載がない
  • 収集運搬と処分を1枚の契約書にまとめている
  • 担当者の退職で契約書の保管場所が不明になっている

見直しの基本的な進め方としては、まず現在委託している全業者の許可証と契約書を一覧化することから始めるのがおすすめです。廃棄物の種別ごとに、許可証の有効期限・対象品目・収集運搬/処分の区分を表にまとめると、不備の発見と修正優先順位の判断がしやすくなります。

まとめ

産業廃棄物の委託契約は、一度締結すれば終わりではなく、許可証の更新・廃棄物種別の変化・業者の変更に合わせて随時見直しが必要な書類です。記載事項の確認・許可証の有効性確認・二者間契約の原則・5年間の保存義務という基本を押さえておくことが、排出事業者責任を適切に果たすための第一歩になります。

株式会社RISEでは、産業廃棄物・ICT機器のリサイクル処理を関東を中心に対応しており、必要な許可を保有した業者として適正な委託契約を締結しております。委託契約の見直しや新規委託のご相談は、ヒアリング・お見積りとも無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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