中小企業が無理なく始める環境配慮の取り組み

「SDGsや環境対応は大企業がやること」という認識は、ここ数年で大きく変わりつつあります。取引先からサプライチェーン全体の環境対応を求められるケースが増え、金融機関の融資審査や求職者の企業選びにも環境への取り組みが影響するようになりました。

しかし「何から始めればいいかわからない」「コストや手間が心配」という声も多く聞かれます。株式会社RISEは、リサイクルコンサルティングを通じてさまざまな規模の事業者と接してきた経験から、小さく始めて続けられる環境対応の進め方をご提案しています。

中小企業が環境配慮に取り組むイメージ。廃棄物削減・省エネ・発信・認証の4つのポイント
環境配慮は「廃棄物の削減・分別」から始めるのが現実的な第一歩

中小企業に環境対応が求められる背景

環境対応への要請は、主に3つの方向から中小企業に届いています。

1. 取引先・サプライチェーンからの要請 大手メーカーや小売業を中心に、サプライヤーへの環境調査票の提出や、CO₂排出量・廃棄物排出量の開示を求める動きが広がっています。一次取引先だけでなく、二次・三次の取引先にまで要請が波及するケースも出ており、「対応できなければ取引の継続に影響する」という状況が生まれています。

2. 金融機関のESG融資・優遇制度 政府系金融機関を中心に、環境への取り組みを評価した融資制度や金利優遇が整備されています。環境対応の実績を示せると、資金調達の選択肢が広がる場合があります。

3. 採用・人材確保への影響 特に若い世代では、就職先や取引先を選ぶ際に環境・社会への姿勢を重視する傾向があります。環境への取り組みを発信することが、企業ブランドの向上につながることが多くなっています。

何から始めるか

環境対応の入口として、最も実践しやすいのが廃棄物の分別と削減です。廃棄物処理法上、排出事業者には適正処理の責任があります(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)。義務の範囲内で始められるため、新たな投資なしに取り組めます。

具体的には次のような取り組みから着手できます。

  • 廃棄物の種類を整理する:一般廃棄物・産業廃棄物の別、素材の種類を把握する
  • 分別ボックスを設ける:金属くず・プラスチック・紙くず・ガラスなど素材別に分ける
  • 廃棄物の排出量を記録する:月次での排出量の把握が、削減目標の設定につながる
  • 省エネの小施策を並行して進める:照明のLED化、空調のタイマー管理など、コスト削減と環境対応を両立できる取り組みを選ぶ
  • ペーパーレス化:社内文書のデジタル化は、コスト削減と廃棄物(紙ごみ)削減の一石二鳥になる場合があります

SDGsと廃棄物管理の接点

SDGs(持続可能な開発目標)のうち、廃棄物管理と直接関係が深いのはゴール12「つくる責任 つかう責任」です。廃棄物の削減・分別・リサイクルへの取り組みは、このゴールへの貢献として対外的にも説明しやすい内容です。

また、廃棄物を資源として扱うサーキュラーエコノミー(循環経済)の考え方も広まっており、有価物の切り出し・リサイクル業者への売却は、その実践例として位置付けられます。SDGsの文脈に当てはめることで、取引先への説明資料や社内向けの説明にも活用しやすくなります。

廃棄物管理とSDGsをつなぐポイントは「廃棄物を単なるコストと見るのではなく、資源として扱えるか」という視点です。

無理なく続けるコツ

環境対応が続かない原因として多いのが、「一気に多くを変えようとして現場が混乱する」「目標が曖昧で効果が見えない」という2つのパターンです。

現状把握・小さく始める・数値化・発信と改善の4ステップフロー
「現状を把握してから始める」が、長続きする環境対応の鉄則

続けるためのコツは次の通りです。

  • まず現状を把握する:廃棄物の排出量・種類・処理費用を記録し、現在地を知る
  • 小さく始める:一品目の分別から、一部署の省エネからなど、スモールスタートにする
  • 数値で把握する:「前月より○kg減った」「処理費用が○円下がった」という実績を記録する
  • 発信・改善を繰り返す:社内への報告、社外への情報発信を行い、次の目標につなげる

特に数値化は重要で、感覚的な「減った気がする」ではなく、月次記録があることで改善の方向性が見えてきます。Excelでの集計から始めて十分です。

取り組みを発信する・認証を活用する

環境への取り組みを社外に伝える手段として、ウェブサイトや会社案内への掲載が基本です。さらに、第三者認証を取得することで、取引先や金融機関への信頼性が高まる場合があります。

中小企業が取り組みやすい認証の一つにエコアクション21があります。環境省が策定した中小企業向けの環境マネジメントシステムで、ISO14001と比べて取得・維持のコストが抑えられるのが特徴です。環境目標の設定・取り組み・報告のサイクルを回す仕組みになっており、認証取得が社内の環境意識向上にもつながると言われています。

認証の取得にはコストと時間がかかりますが、補助金制度が活用できる地域・業種もあります。まずは各都道府県の中小企業支援機関や商工会議所に問い合わせてみることをおすすめします。

進め方

株式会社RISEがお勧めする、中小企業の環境対応の進め方は以下の通りです。

  1. ヒアリング・現状把握:廃棄物の種類・量・処理費用を整理する
  2. 優先課題の整理:取引先の要請・コスト削減・認証取得など、自社の優先度を確認する
  3. 小さく始める:分別ルールの整備、記録の習慣化など、現場への負担が少ない取り組みから開始
  4. 数値化と発信:月次の記録を蓄積し、社内外への情報発信に活用する
  5. 認証・外部連携の検討:エコアクション21などの認証、外部の専門家・コンサルタントとの連携を必要に応じて検討する

一度に全ステップを進める必要はありません。自社の状況に合わせて、できるところから着手することが長続きの秘訣です。

まとめ

中小企業の環境対応は、大きな投資や特別な仕組みがなくても始められます。廃棄物の分別と排出量の記録という日常業務の延長から取り組みを起こし、数値化・発信・認証活用とステップを踏んでいくことで、取引先や金融機関への説明力も自然と高まっていきます。

株式会社RISEは、リサイクル事業の現場で培った素材の目利きと、収集運搬・処分の業務知見をもとに、中小企業の環境対応を支援するリサイクルコンサルティングを提供しています。東北・関東・関西エリアで対応しており、現状把握のヒアリング・お見積りは無料です。「何から始めればいいかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

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