製造業の廃棄物処理コストを見直すための、現状把握から始める進め方

製造業の現場では、日々の生産活動から多量の廃棄物が発生します。「処理費用は固定費に近い」「業者が長年同じで、相場が分からない」といった状態のまま見直しが先送りになっているケースも珍しくありません。

しかし、廃棄物処理コストは分別の見直しと有価物の切り出しだけで、月額数十万円規模の削減余地が見つかることが多い領域です。今回は、株式会社RISEがリサイクルコンサルティングの現場で実際に進めている、コスト見直しのアプローチをご紹介します。

製造工場の廃棄物処理コストを見える化して見直すイメージ
処理コストを「見える化」することが、見直しの出発点になる

削減余地はなぜ見つかるのか

製造現場の廃棄物処理コストは、次のような構造的な要因から、見直しを始めると改善余地が出やすい傾向があります。

  • 混合廃棄物として一括処理されている:分別すれば資源として売れるものが、混ざることで処分対象になっている
  • 長年同じ業者で、契約条件が更新されていない:相場と乖離していても気付きにくい
  • 排出量・コストの計測が部署単位で完結していない:全社視点での最適化が難しい
  • 担当者の引き継ぎで「現状維持」が優先されている:変更によるリスクを避けて見直しが止まりやすい

これらは個別に大きな問題ではない一方、積み重なると製造原価の数%を占める固定費として無視できない規模になります。

廃棄物コスト見直しの4ステップ

私たちが製造業のお客様にご提案するコスト見直しは、次の4ステップで進めるのが基本形です。

現状把握・分別見直し・業者比較・継続管理の4ステップフロー
見直しは「現状把握」から始める

Step 1. 現状把握:排出量とコストの計測

最初のステップは、現状の排出量と処理コストを定量的に把握することです。次の情報を、できれば過去12ヶ月分まとめて整理します。

  • 廃棄物の種類(混合廃棄物・金属くず・プラ・木くず・紙くず・廃油など)
  • 月別の排出量(重量・体積)
  • 月別の処理費用
  • 委託している収集運搬業者・処分業者
  • マニフェスト交付状況

この段階で、排出量と費用の関係をグラフ化すると、季節変動や特定品目のコスト比率が見えてきます。

Step 2. 分別の見直し:有価物を切り出す

製造現場では、素材として価値があるにも関わらず、混合廃棄物として処分されているものが多く見つかります。代表例は次のとおりです。

  • 鉄・ステンレス・アルミ・銅などの金属くず
  • 工程で出るプラスチック端材(単一素材であれば再資源化可能)
  • 段ボール・紙くず(古紙としてリサイクル可能)
  • 廃油(再生重油・燃料用として有償取引可能)
  • 木製パレット・木くず(チップ化・燃料化が可能)

これらを単一素材で分別できれば、処分料金が発生する廃棄物から、有価物(業者が買い取ってくれる資源)に立場を変えられます。「廃棄費用が減る」だけでなく、「売却収入が発生する」というダブルの効果があります。

Step 3. 業者比較:契約条件の見直し

長年同じ業者に委託している場合、他社との相見積で相場感を把握することをおすすめします。比較する際のポイントは、単純な単価だけでなく次の項目を含めて評価することです。

  • 単価(重量あたり・トラック1台あたり)
  • 引取頻度・回収車両のサイズ
  • マニフェスト管理の対応(電子マニフェスト対応可否)
  • 処理施設の所在地・処理方法
  • 緊急時・繁忙期の対応可否
  • 許可証の保有状況・有効期限

価格だけで業者を切り替えると、許可証の不備・処理施設の不適切さなど、排出事業者責任に関わるリスクが生じる可能性があります。許可証・処理施設の確認は必ず行ってください。

Step 4. 継続管理:月次でのモニタリング

見直しの効果を維持するには、月次でのモニタリングが欠かせません。次の指標を定期的にチェックする運用を作ると、改善が一過性で終わりません。

  • 廃棄物の種類別排出量と処理コストの推移
  • 有価物売却収入の推移
  • マニフェスト返送状況(期限内返送率)
  • 想定外の費用発生・トラブルの記録

モニタリングは特別なシステムがなくても、Excelでの集計表で十分始められます。改善後の効果を可視化することが、社内での承認や次の改善活動につながります。

実例:製造メーカーA社様のケース

製造ラインから月間30tの混合廃棄物を排出し、月額90万円の処分費用が発生していたA社様の事例をご紹介します。

Before: 混合廃棄物として一括処理 / 月額90万円

ヒアリングと現場確認の結果、月間排出量30tのうち、10tが有価物として取扱可能であることが判明しました。具体的な分別方法をご提案し、現場での運用を整えた結果、次の改善が実現しました。

After: 分別後の処分20t(処分費用) + 有価物10t(売却収入) / 削減効果 月額約35万円

材質ごとの目利きと、現場で運用可能な分別ルールの設計が、改善の鍵になりました。

「廃棄物コスト=固定費」という思い込みを外す

廃棄物処理コストは、原材料費や人件費と違って「下げにくい」と思われがちですが、現状把握から始めれば見直しの余地が見つかることが多い領域です。

私たちはリサイクル事業の現場で培った素材の目利きと、収集運搬・処分の業務知見をもとに、お客様の状況に合わせたリサイクルコンサルティングを提供しています。東北・関東・関西エリアで対応しており、現状把握のヒアリング・お見積りは無料です。

「他にもっとよい方法があるのでは」と感じている経営者・工場管理ご担当者の方は、お気軽にご相談ください。

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